うた

精選版 日本国語大辞典 「うた」の意味・読み・例文・類語

うた

  1. 〘 造語要素 〙 異常なものに対する感動の意を表わす。はなはだしの意。→うただのしうたたうたて

うた

  1. 〘 名詞 〙 砂浜を表わす地形名。高知県の宇多松原、新潟県の歌、香川県の歌の津など、地名になったものも多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「うた」の意味・わかりやすい解説

うた

音声による芸術的表現の一つ。歌,哥,謌,謳,謡,諷,唱,詠,唄などさまざまな漢字をあてる。その語源にも諸説あり,手拍子を「打つ」ことに由来するとする説や,情感を「うったふ」または「うれたふ」から出たとする説などがあり,その動詞形の「うたふ」との先後関係も明らかではない。古代においては,実際に声を出して歌われるものに「歌」もしくはその異体字をあてたが,中国の詩賦をまねて文芸本位の読む「和歌」が成立して,その区別に混乱が生じた。中国では,楽器に合せるものを「歌」,無伴奏のものを「謡」または「謳」とし,また,斉唱の歌を「謳」などと区別したこともあったが,日本ではすべて同義として「うた」の語にあてた。中世には,実際に歌われるものは,特に「謳歌」と字を重ねて区別したこともある。中国で用いられていた「歌謡」の語は,明治以降に国文学者などによって「謳歌」に代えて使われるようになった。音声表現のうちで音楽性の強いものを「うた」として,音楽性の弱い「コトバ」との対概念として用いることもあるが,芸術的な音声表現のうちで特に音節の引延ばしが多く,そこに旋律性が加えられたものを「うた」とし,あまり音節は引き延ばさず,時価の問題は別として,言語の韻律を拍に対応させようとする朗誦性の強い「語り」に対する概念として用いることもある。中世の猿楽能において,その声楽に「謡」「諷」などの字をあてて「うたひ」と称したのは特殊な用法であるが,音楽用語としては,器楽に対する声楽を特に「うたもの」または「うたいもの」と称して,「歌物」「謡物」などとあてることもある。近世の江戸においては,「唄」の字をあてて,文芸上の「歌」や語り物の浄瑠璃などの声曲に対して,歌曲性を強調する場合に用いる傾向も生じたが,関西においては「歌」の字をあてたままでそうした性格を強調した。

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世界大百科事典(旧版)内のうたの言及

【浜】より

…漁村の家はいったいに作業場がほとんどなく,網の修理や漁具の手入れ,あるいは魚の分配や加工などは,共同の作業場である浜が利用された。砂浜を指すことばとしては,ウタ,ナゴ,ヨリアゲ,ユリアゲ,それに関東から東北にかけてスカなどが,古来より使われている。なお,大阪では河岸(かし)のことを浜とよんだ。…

【歌謡】より

…声楽曲の総称。うた,または,うたう,という行為を示す語としての歌謡は,中国においては古くから使われ,たとえば,《史記》《漢書》あるいは阮籍の音楽論にすでに見られる。しかし,現在の日本での使い方は,明治以降の日本文学の研究者によるもので,読まれる詩歌に対して,歌われる詩歌を強調することを目的とした。…

※「うた」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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