糸竹古今集(読み)しちくこきんしゅう

精選版 日本国語大辞典 「糸竹古今集」の意味・読み・例文・類語

しちくこきんしゅうシチクコキンシフ【糸竹古今集】

  1. 近世の邦楽書。文化二年(一八〇五)刊。江戸神谷潤亭とその門人伊能一雲の共著。当時衰滅していた一節切(ひとよぎり)を再興し、一節切本来の楽曲の譜のほか箏曲長唄俗曲に合わせて吹いた小竹(こたけ)用法楽譜(指孔譜)を記したもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の糸竹古今集の言及

【一節切】より

…急速な衰微の原因は,音量,音域など性能の点で普化尺八に劣ったこと,なかんずく17世紀以後の日本音楽で支配的になった都節音階(半音を含む5音音階)の吹奏に適さなかったことに求められる。19世紀初葉にいたり,江戸の町医者神谷潤亭(1783?‐?)が細々と伝承されていたこの楽器に着目し,一節切を〈小竹(こたけ)〉と改称し,古伝の曲に自作の新曲を加えて《糸竹古今集》(1818)その他多数の譜書を著してその復興に努めたが,一部の好事家の関心を集めただけで,19世紀後半以後,一節切はまったく絶えてしまった。尺八【上参郷 祐康】。…

※「糸竹古今集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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