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一節切 ひとよぎり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一節切
ひとよぎり

尺八の一種。 15世紀中頃から 18世紀初頭までに行われた日本の竹製縦笛。正しくは一節切尺八。管のなかほどに竹の節が1つだけあるのでこの名がある。当初は単に尺八と称した例も多い。管長約 33.6cm。普化 (ふけ) 尺八を小型にしたような形状で,指孔は前面4孔,背面1孔。筒音黄鐘 (おうしき。イ音) を標準とし,黄鐘切と称するが,当初はさまざまな管長,筒音のものがあった。音量,音質などの性能の点では普化尺八に劣る。江戸時代以前には独奏曲を主とし,隠者的な人々の間で愛好され,江戸時代に入り,流行唄の伴奏にも用いられ流行したが,のち急速に衰え,19世紀中頃以後は絶滅した。

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デジタル大辞泉の解説

ひとよ‐ぎり【一節切】

尺八の一種。長さ約34センチ、太さ直径約3センチの竹製の縦笛で、節が一つある。室町中期に中国から伝来桃山時代から江戸初期にかけて流行したが、幕末に衰滅。一節切尺八。

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百科事典マイペディアの解説

一節切【ひとよぎり】

室町から江戸初期にかけて流行した管楽器。縦型フルートで,吹口の形は尺八と同じ。一節切は後世つけられた名称。指孔も尺八と同じ5孔(表4,裏1)あるが,管長が約34cmと短い。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひとよぎり【一節切】

中世末期から近世にかけての日本で行われた尺八の一種。正しくは一節切尺八といい,一簡切,一節截などとも書く。竹の幹の中ほどで作り,現行の普化尺八より細くて短い。管の上方約3分の1の所に一つだけ節があるので,その名がある。指孔は前面4・背面1で,数と配置は普化尺八と同様だが,孔間比は微妙に異なる。音量は普化尺八より小さく,音域も狭い。起源については,15世紀ころにロアン(朗庵などと書かれる)なる外国人僧侶が伝来したという伝説があるのみで,よくわからないが,遅くとも14世紀ないし15世紀には行われはじめたものらしい。

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大辞林 第三版の解説

ひとよぎり【一節切】

尺八の一種。長さ一尺一寸一分(約34センチメートル)で、一つの節を有する竹製の縦笛。前面に四孔、裏面に一孔の指孔がある。室町中期から江戸初期まで盛んに行われたが、中期以後衰微。一節切尺八。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一節切
ひとよぎり

5孔1節の尺八の一種。節を一つだけ含む竹管の意からこの名がある。標準管長は1尺1寸1分(約33.6センチメートル)で、普化(ふけ)尺八よりかなり短く細い。マダケの幹の中ほどを用い、節を第5孔(裏孔)と第4孔の間に置く。外面を斜めに切り落とした尺八と同じ歌口をもつが、そこに牛角を埋め込んだものは少なく、また根に近いほうを上にするところなど、普化尺八と異なる。伝来は室町時代中期と伝えられ、16~17世紀に盛行をみた。普化尺八と比べると、基本的奏法はほぼ同じだが、音量・音域が劣り、歌口・指孔が小さいため、技法がやや困難である。そのためしだいに衰微し、19世紀初期に小竹(こたけ)と改名して一時再興されたものの、同中期以後は伝承者を失った。[月溪恒子]

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世界大百科事典内の一節切の言及

【尺八】より

…名称は標準管長(1尺8寸)に由来する。日本の音楽史上に現れた広義の尺八には,古代尺八,天吹(てんぷく),一節切(ひとよぎり)尺八などもあるが,現行するのは普化(ふけ)尺八のみであるから,以下,それを主として解説する。〈普化尺八〉は〈虚無僧尺八〉とも呼ばれるが,江戸時代にこの楽器が普化宗(禅宗の一種。…

【日本音楽】より

…また尺八も輸入され普化宗(ふけしゆう)の仏徒(虚無僧)によって行われた。尺八の同類である一節切(ひとよぎり)も輸入され,このほうは一般庶民の楽器として,箏や三味線と合奏されたり,流行歌や民謡を吹くことにも用いられた。また,僧徒の遊宴で行われていた延年と称する総合芸能の中に〈越天楽歌物〉も含まれていたが,それらに基づいて北九州に筑紫流(つくしりゆう)箏曲(筑紫箏)が興った。…

※「一節切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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