朝日日本歴史人物事典 「神谷潤亭」の解説
神谷潤亭
生年:天明3(1783)
江戸後期の一節切尺八の奏者。一思庵不学と号する。本業は江戸の町医者。当時,ほとんど滅亡していた一節切尺八を再興するために,これを小竹と改称し,それまでの指田流のレパートリーに加え,多くの自作の新曲,箏や三味線との合奏曲を発表した。記譜法にも新しい工夫を加え,多くの楽譜や解説書を著作刊行した。指田流一節切13世宗家を名乗り,門弟の伊能一雲と共に普及に努めたため,天保年間ころまでは一部の好事家に吹かれたが再興は成らず,その後まったく絶えてしまった。<著作>『糸竹古今集』『一節切温故大全』『竹の根分』『糸竹五色貝』『十二調子名義考』『竹の鳰ひ』
(志村哲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報