素引く(読み)スビク

デジタル大辞泉 「素引く」の意味・読み・例文・類語

す‐び・く【素引く/誘く】

[動カ五(四)]
弓の張りを確かめるために、弦だけを引く。
「弓ヲ―・ク」〈和英語林集成
誘う。気を引いてみる。
「けころを―・いたことはあったが」〈黄・景清百人一首〉
からだに、つっぱるような痛みが走る。痙攣けいれんが起こる。
すぢガ―・ク」〈日葡

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関連語 すだれ 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「素引く」の意味・読み・例文・類語

す‐び・く【素引・誘】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 つっぱるようにぴくぴくと動く。痛みが走る。けいれんがおきる。
    1. [初出の実例]「守(かみ)、簾超(すだれごし)に見遣れば、末の座に至るまで皆、腹鳴合て、すびき 合へり」(出典今昔物語集(1120頃か)二八)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
    1. 弓の弦を少し引いてみて、張りの強さを試す。試みにひいてみる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    2. ものの値打や価値を確かめる。
      1. [初出の実例]「かかは彼(かの)(かね)をとってすびいて見」(出典:浮世草子・好色貝合(1687)下)
    3. 気を引いてみる。さそい出す。また、相手の気持や考えを試してみる。そびく。
      1. [初出の実例]「鯤が隣にみめのよい女あり此をすびいたぞ」(出典:玉塵抄(1563)四八)

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