組織動態化(読み)そしきどうたいか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「組織動態化」の意味・わかりやすい解説

組織動態化
そしきどうたいか

組織は目的遂行のために必要な諸課業を定型化して諸部門や諸職位に配分し、能率的にそれらを遂行するために階層構造を形成する。このような定型化・部門化・階層化を特色とする組織構造は、環境(企業組織であれば市場や技術、行政組織であれば人口や都市化など)が安定している場合には有効に機能するが、環境が激動し、新しい課題が続出し、敏速な対応が迫られる場合には、弾力性が低いために有効に機能しない。この欠点を救済するために、動態的組織dynamic organizationを採用することを組織動態化という。組織動態化には、課制廃止(部門の壁と階層を省略して弾力化する)や、プロジェクト・チームないしタスクフォース機動部隊)の採用のように、既存組織の手直しもしくはそれへの補強のようなものから、マトリックス組織への移行のように、まったく異種の組織構造への変革に至るまで、さまざまなものがある。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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