階層構造 (かいそうこうぞう)
hierarchical structure
対象をシステムとして,すなわち部分が結合して構成される全体として認識したとする。部分をまたシステムとして認識することを繰り返せば,システム/部分の関係が下方に積み重ねられる。また,対象を部分とするより大きなシステムを認識することを繰り返せば,システム/部分の関係が上方に積み上げられていく。このようにして形成された,システム/部分の関係の多段のシステム構造を階層構造という。生物,組織,人工システム,宇宙,概念,知識など人間の認識するすべての対象は階層構造をもつ。
階層構造において下位および上位への積み重ねを有限にとどめるために,最小要素と最大システムを規定する。最小要素は最下位のレベルであって,それをシステムとして認識することはしない。最大システムは最上位のレベルであって,それを部分とするシステムを考えない。最大システムを規定することを,システムの境界を定めるといい,最大システムより上位のシステムを一括してシステムの環境という。
最小要素と最大システムを規定したとしても,その間の階層構造が1通りに定まるわけではない。たとえば図1の1段の階層をもつシステムは図2のように2段の階層として,それも図のa,bのように異なるシステム構造として認識することができる。どのような階層構造として認識するかは,システムとしての認識の目的・手段・方法に基づいて適切に定めることとなる。
→ヒエラルヒー
執筆者:市川 惇信
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Sponserd by 
かいそうこうぞう
階層構造
hierarchical structure
岩石の変形様式は,岩質ばかりでなく,変形時の温度・圧力(封圧)・歪み速度などの場の因子によっても異なる。同一地域では,一般に地下深い所ほど温度・圧力が高い。したがって,歪み速度が一定とみなしうるような同一地域では,同一の変形作用を受けても,深さによって変形様式が異なることがある。こうしてできた異なった構造の重なりを階層構造という。特に上部と下部とで構造岩相が異なる場合には,著しく非調和な構造ができ,両者の境界に大規模なすべり帯(detachment zone, Abscherungszone, décollement)が発達することも多い。このような分離面で境された上部構造と下部構造の対立を狭義の階層構造という。参考文献:C.E.Wegmann(1935) Geol. Rundsch.,Bd.26
執筆者:岩松 暉
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の階層構造の言及
【植物群落】より
…森林などでは高さの違う植物からなる群落内の葉の分布に,垂直的に何層かの密な層を生じているように見える場合が多い。これを階層構造stratificationという。一般に高木層,低木層,草本層,蘚苔(せんたい)層に分けられるが,階層が何層になるかとか,どれだけはっきり区別できるかどうかは森林によって異なり,熱帯多雨林において最も階層構造が発達する。…
【階層】より
…この問題は〈地位の非一貫性status inconsistency〉と呼ばれ,階層分析における重要課題の一つになっている。
[階層構造と社会移動]
全体社会の階層構造は一般にピラミッド型をなしていると考えられやすいが,日本を含む先進諸国の階層構造は[中間層]がふくらみ,底辺部分は逆にすぼまった形をとっている。これは,所得が平準化し,教育が普及し,非熟練職種や汚れ仕事がしだいに機械によっておきかえられていくことの結果である。…
【社会移動】より
…たとえば,職業,学歴,所得,資産,勢力,威信,人気,家柄等々において,高低,大小,多寡などの基準によって人々が序列づけられるならば,それらは個人の社会的地位を構成する要素である。このようにして序列づけられた人々の総体を,階層構造と呼ぶことができよう。したがって,社会移動とは,階層構造における人々の位置の移動であるともいえよう。…
※「階層構造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 