経常収支の構造的黒字(読み)けいじょうしゅうしのこうぞうてきくろじ(その他表記)current account surplus caused by economic structure

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経常収支の構造的黒字」の意味・わかりやすい解説

経常収支の構造的黒字
けいじょうしゅうしのこうぞうてきくろじ
current account surplus caused by economic structure

変動相場制度のもとでは経常収支黒字国は,通貨価値が上がって輸出が不利に,輸入が有利に働くため,黒字が次第に縮小する自動安定化機構が働くはずである。しかし現実にはそうならず,経常収支の黒字が続いている。これは輸出の場合,価格以外に生産性や技術力が競争上で重要になるためだが,慢性的な赤字国側からは,輸入を抑制する構造要因があるためだとする批判が強い。日米構造協議 (1989~90年) にみられるアメリカ側主張がその典型である。これを受けて流通機構の改善 (大規模小売り店舗法の改正) などを実施したが,アメリカは日本企業の「系列」による閉鎖的取引慣行を次のやり玉にあげている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android