黒字(読み)くろじ

日本大百科全書(ニッポニカ)「黒字」の解説

黒字
くろじ

一般的には収入が支出を上回って剰余が生じた状態、または剰余そのものをさす。会計書類や帳簿上でこの剰余を黒インクで記すことから、この名称が生じた。黒字は、たとえば黒字財政とか黒字決算、黒字家計などというように、あらゆる組織体の収支決算に用いられる概念である。だが統計上常用されるのは、総務省統計局の家計調査においてである。この場合の黒字とは、いうまでもなく家計で実収入から実支出を差し引いた剰余をさす。なおこの場合の黒字には、貯金純増、保険純増、有価証券純購入などの金融資産の純増と、ローンなどの借入金の純減、財産の純増、繰越し純増(翌月への繰越金から前月よりの繰越金を差し引いたもの)などを含んでいる。また、可処分所得に対する黒字の割合を黒字率というが、これから金融資産純増率と土地、家屋の借金純減率を抜き出して、家計分析の手段とする手法がある。一方、赤字は黒字の逆概念であり、支出超過額を意味する。しかし、家計調査において赤字が出ることは事実上ない。これは、家計調査が多くの家計の平均であることと、個々の家計の多くが、赤字の可能性のある場合には事前に支出の削減などを行うという二つの理由による。

[青木 

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精選版 日本国語大辞典「黒字」の解説

くろ‐じ【黒字】

〘名〙
① 黒い色で書いた文字。
※古事談(1212‐15頃)二「さる文字もなかりければ、黒字に被書云々」
② (収支決算で、不足額を赤い字で書くのに対して超過額を黒い字で書くところからいう) 収支決算の結果、余剰または利益が生じること。また、その余剰。利益。くろ。⇔赤字
※話の屑籠〈菊池寛〉昭和八年(1933)三月「『オール読物』も創刊以来赤字であったが十一月号から漸く黒字になった」

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知恵蔵「黒字」の解説

黒字

黒字は、実収入から実支出を引いた額。可処分所得から消費支出を差し引いたものも同額。これがマイナスの場合が赤字である。財産高は、黒字分増加し、赤字分減少する。黒字率(可処分所得に対する黒字の割合)と平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)を合計すると100%になる。

(上村協子 東京家政学院大学教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉「黒字」の解説

くろ‐じ【黒字】

黒い色で書いた文字。
《収支決算で、収入超過額を黒で書くところから》収支決算の結果、余剰が生じること。また、その余剰金。黒。⇔赤字
[類語]利益儲け収益利潤利得利沢得分実益益金利金純利純益差益利鞘マージンゲインプロフィット

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