縁妙尼(読み)えんみょうに

朝日日本歴史人物事典 「縁妙尼」の解説

縁妙尼

生年生没年不詳
平安中期の尼,往生者。陰陽師として著明賀茂保憲の孫,母は歌人で「賀茂保憲女集」の作者。監の君と称して二条関白藤原教通の侍女で,好色,奔放な女性であったが,のちに道心を起こして剃髪出家し,縁妙と称した。京と地方を遍歴して唱導し,ただ「常住仏性」の4字を称え,人びとに仏事を勧め,八十余歳で没した。没時の奇瑞によって,往生疑いなしとされている。貴族社会の女性宗教者としては珍しく地方で宗教活動をした例である。<参考文献>大江匡房選『続本朝往生伝』,鴨長明選『発心集』7巻

(西口順子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「縁妙尼」の解説

縁妙尼 えんみょうに

?-? 平安時代中期の尼僧
賀茂保憲(かもの-やすのり)の孫。関白藤原教通(のりみち)の侍女。監(げん)の君と称した。浮き名を流し,のち仏門にはいる。京と地方をめぐりあるき,「常住仏性」の4字をとなえて教えを説き,八十余歳で死去。死ぬとき瑞相がおおく,往生まちがいなしといわれた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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