(読み)かがる

精選版 日本国語大辞典 「縢」の意味・読み・例文・類語

かが・る【縢】

〘他ラ五(四)〙
① 糸または紐などを互い違いに組んで編む。また、そのようにして模様などを編みだす。
書紀(720)雄略八年二月(前田本訓)「此の時に当りて綴(カカレ)る旒(はたあし)(〈別訓〉はたしのし)の若(こと)くにあり」
※永日小品(1909)〈夏目漱石〉柿「毛糸で奇麗に縢(カガ)った護謨毬(ゴムまり)を」
② 紐、縄などでからげて縛る。
※俳諧・炭俵(1694)上「丁寧に仙台俵の口かがり〈孤屋訴訟が済て土手になる筋〈野坡〉」
③ 布の端(はし)、または破れ目などを糸で縫いからげる。
三四郎(1908)〈夏目漱石〉四「前垂(まへだれ)の縁がレースの様に縢(カガ)ってある」

かがり【縢】

〘名〙 (動詞「かがる(縢)」の連用形の名詞化)
① 糸などでからげて縫い合わせること。また、糸を組んで編み合わせること。
※俳諧・冬の日(1685)「縄あみのかがりはやぶれ壁落て〈重五〉 こつこつとのみ地蔵切町〈荷兮〉」
② 竹、ふじづるなどを編んで作ったかご。いしみ。
※大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)七「三蔵親(みづから)(あしか)(カカリ)を負ひて甎石を担(になひ)(はこぶ)
製本で、本の背と表紙を糸でかがること。また、そのもの。針金を用いるのと比べて本の開きが大きくなり、開きやすい。
野獣耕地に入るのを防ぐため、杭に針金を引いて作る垣。大阪府北部の山村でいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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