カ・かり

普及版 字通 「カ・かり」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音]
[字訓] かり

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
手()を以て岩石を切り取る形。また琢冶を加えない瑕玉の意。これを琢冶して真玉を得るので真仮の意となる。假(仮)は仮面。

[訓義]
1. かり。
2. 動詞に用い、かりる、かす。

[声系]
〔説文〕に声として瑕・・暇・假・鍜など二十一字を収める。玉石の切り出した素材で、未完成、仮借、大きなものの義を含む。

[語系]
金文の「休」は「休」、「」は「遐」、「爲」は「を爲すこと(かぎ)り無し」、「年」は「(なん)ぞ(くわうこう)年ならざらん」で、・遐・何の意に用いる。・假keaは同声。遐hea、何haiは声近く、通用する字である。

[熟語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「カ・かり」の意味・わかりやすい解説

カカリ (かかり)

日本音楽・芸能用語の〈なになにガカリ〉という複合語を含めて,いくつかの用法がある。まず,能の舞事において,地(じ)に移行する前の冒頭の短い導入的な部分をいい,破ガカリ,イロエガカリ,達拝(たつぱい)ガカリなどの種類がある。また,によっていくつかの楽節に分割される囃子事では,最初の段までの第1楽節をいう。また,各分野にわたって,演目の演奏開始時刻を,カカリということがある。以上は冒頭・開始の意味を持つものであるが,それに対し〈なになにふう〉という意味でも用いられることがある。これは主として三味線音楽の分野にみられるもので,たとえば,平曲の旋律様式を用いて作曲されている部分を平家ガカリ,ツヨ(強)吟の謡を取り入れた部分を謡ガカリ文弥節(ぶんやぶし)を取り入れた部分を文弥ガカリなどという。

 そのほか,能楽では,芸系を上(かみ)ガカリ(上掛り,上懸り)と下(しも)ガカリ(下掛り,下懸り)のふたつに大別することが行われている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カ・かり」の意味・わかりやすい解説

カカリ

日本音楽の用語。「掛り」「懸り」の字をあてる。 (1) 能の囃子で「中の舞」や「男舞」などといった器楽的な囃子事において,最初の段の冒頭の部分をいい,そのほか囃子事の冒頭の特別な手をいう。 (2) 三味線音楽で,特定の構成部分の導入部において,特定の旋律型による場合をいい,「…カカリ」というように,種類による名称がある。他の種目流派特色を取入れた場合は,「…ガカリ」ということが多い。 (3) 雅楽の演出用語として,「序ノカカリ」「御遊ガカリ」 (管弦吹) ,「舞楽ガカリ」 (舞吹) のように用いられる。

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