纏はす(読み)マツワス

デジタル大辞泉 「纏はす」の意味・読み・例文・類語

まつわ・す〔まつはす〕【×纏はす】

[動サ四]
まつわるようにする。離れないようにする。
「いみじうむつび―・しきこえ給ふ」〈若紫
気に入りの者や愛する者などを絶えず身近にいさせる。
「おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなく―・させ給ふあまりに」〈桐壺

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精選版 日本国語大辞典 「纏はす」の意味・読み・例文・類語

まつわ・すまつはす【纏】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. まつわるようにする。まといつく。また、まつわりついて束縛する。
    1. [初出の実例]「有情の、生死の苦穢に縛(マツハサ)れたるを」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一〇)
  3. 気に入りの者、愛する者などを絶えずそば近くにつきまとわせる。
    1. [初出の実例]「『さてなほひさしくや、宮は見奉らざらんずる』『などてか、ただ暫しなり』と聞え給にも、いと哀に、まつはし奉り給へるに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)

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