翼端渦(読み)ヨクタンウズ

デジタル大辞泉 「翼端渦」の意味・読み・例文・類語

よくたん‐うず〔‐うづ〕【翼端渦】

飛行機翼端で発生する渦。翼の上下面で生じる圧力差により、下面から上面に向かって空気が流れ込もうとするために発生する。翼端振動原因となる。

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パラグライダー用語辞典 「翼端渦」の解説

翼端渦

揚力とは翼の下面と上面に生ずる気流の圧力差、つまり上面の圧力が低くなる為に上に持ち上げようとする力である。しかし、翼端付近に近づくと、その圧力差を埋めようと翼の横から気流の流れ込みが起こり、これが翼端渦と呼ばれる渦状の空気の流れである。翼端渦は揚力を発生させようとする翼の能力を低下させ、誘導抗力となる為、出来るだけ影響を受けなくすることが望ましい。対策として、アスペクト比を高くすることにより翼全体に対する翼端渦の影響を減らす事ができる。また、ウイングレットを設け翼端渦から翼をできるだけ遮へいする方法もある。図は進行方向から見たキャノピー 翼端付近では翼端渦と呼ばれる空気の渦が発生している。翼端ほど、渦の影響が大きい。
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世界大百科事典(旧版)内の翼端渦の言及

【翼】より

…飛行機は,最高速度を出すには抗力係数が最小となる迎え角で,また燃料消費を減らして長距離を飛ぶには揚抗比が最大となる迎え角で飛ぶのがよい。
[翼とアスペクト比]
 翼端では下面の空気が圧力の低い上面へと回り込むので渦(この渦を翼端渦wing tip vortex,または後引き渦trailing vortexという)ができ(図3),この翼端渦に誘導されて翼を通過する気流はやや下を向く。アスペクト比の小さい翼ほど翼端渦の影響が強く気流が下向きになり,前記の同じ揚力を出すのに大きな迎え角が必要となるのはこのためである。…

※「翼端渦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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