日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィングレット」の意味・わかりやすい解説
ウィングレット
うぃんぐれっと
winglet
翼端小翼とよばれる。NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)のウィットカムRichard T. Whitcombの考案になるもので、飛行機の主翼の翼端に垂直またはほぼ垂直に取り付けた小翼である。翼端に発生する渦による誘導抗力を減少するとともに、この小翼上に生ずる揚力を推力の成分に振り向けて抗力の減少を図るもので、燃料節減に大きな効果が期待されている。たとえば、DC‐10にウィングレットを取り付けた場合、巡航マッハ数0.82で抗力減少は3.6%という大きな値が推算されている。従来も誘導抗力減少のため翼幅を伸ばしたり、翼端に生ずる渦の発生を抑制する目的で、翼端板や翼端燃料タンクを取り付けたが、構造の複雑化や重量の増大などが欠点とされていた。これに対してウィングレットは、構造強化による重量的な損失に対して、抵抗減少の効果がはるかに大きいので、今後の航空機には大幅に採用されるものと予想されている。
[落合一夫]