老人雑話(読み)ろうじんざつわ

改訂新版 世界大百科事典 「老人雑話」の意味・わかりやすい解説

老人雑話 (ろうじんざつわ)

近世初期に成立した随筆。儒医江村専斎(1565-1664)の談話を門人伊藤坦庵(宗恕)が筆録編集した書。2巻。戦国時代から近世初頭にかけての武将逸事軍事,文事,医事,能,茶,京都の地理などに関する話を達意の文章でつづっている。とくに豊臣秀吉に関する逸事は白眉の記事であるが,必ずしもすべてが真実とは言い難い。随筆としては優れたものである。活字本は《改訂史籍集覧》《随筆文学選集》《続国民文庫雑史集》所収。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の老人雑話の言及

【江村専斎】より

…禁裏に近い新在家に住し,和歌にも長じ細川幽斎,木下長嘯子らと交遊,また長寿の秘訣を後水尾上皇に奏聞して鳩杖を下賜された。100歳の長寿を保ち,動乱の時代に生きた専斎の体験や伝聞を,伊藤坦庵が筆録したのが《老人雑話》である。【鎌田 道隆】。…

※「老人雑話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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