白眉(読み)ハクビ

デジタル大辞泉の解説

はく‐び【白眉】

白いまゆ毛。
《蜀(しょく)の馬氏の五人兄弟はみな秀才であったが、まゆに白毛のある馬良が最もすぐれていたという、「蜀志」馬良伝の故事から》多数あるもののうち、最もすぐれているものや人のたとえ。「印象派絵画の白眉

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

白眉
はくび

兄弟でもっとも優れた者をいい、転じて、衆にぬきんでて優れた人や物をいう。「白い眉(まゆ)」の意。中国、三国時代の蜀(しょく)の馬氏には5人の兄弟がいた。兄弟みな字(あざな)に「常」の字があったため「馬氏の五常」といわれ、いずれも才名高かったが、なかでも眉に白毛のある長兄の馬良(字、季常)が、もっとも優れていたと伝える『蜀志』の「馬良伝」の故事による。

[田所義行]

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精選版 日本国語大辞典の解説

はく‐び【白眉】

〘名〙
① 白いまゆ毛。
※菅家文草(900頃)五・遊龍門寺「随分香花意未曾、緑蘿松下白眉僧」
② (蜀(しょく)の馬氏の五人兄弟はそろって秀才だったが、特に長兄の馬良は最も秀れた人物でその眉毛に白毛があったという「蜀志‐馬良伝」の故事から) 多人数、また、同種のもののなかで最も秀れた人や物。
※旱霖集(1422)蘭春谷住浄智寺江湖疏「某玄徒白眉、緇林丹鳳、秀句播万口
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「あれは歴史小説の中で白眉である」

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故事成語を知る辞典の解説

白眉

多くの中で、最もすぐれている人や物を指すことば。

[使用例] あれは歴史小説の中で白である。ことに女主人公が死ぬところは鬼気人を襲うようだ[夏目漱石*吾輩は猫である|1905~06]

[由来] 「三国志しょく書―馬良伝」に見える故事から。三世紀の初め、後漢王朝末期の混乱の時代の中国でのこと。氏という家には五人の兄弟がいて、そろって優秀でしたが、特に長男馬良が最も秀れていると評判でした。彼の眉毛には白い毛があったところから、人々は「馬さんの五人息子の中では、『白眉最も良し(白い眉の馬良が最高だ)』」と言っていたそうです。

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