聞違(読み)ききちがう

精選版 日本国語大辞典 「聞違」の意味・読み・例文・類語

きき‐ちが・う ‥ちがふ【聞違】

[1] 〘他ワ五(ハ四)〙 事実を誤って聞く。聞きたがう。聞き誤る。〔和英語林集成初版)(1867)〕
落語・阿七(1890)〈三代目三遊亭円遊〉「鉋屑を燃(たい)たら火事だと聞(キキ)違ひてポンプを担ぎ出されては」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒ききちがえる(聞違)

きき‐ちが・える ‥ちがへる【聞違】

〘他ア下一(ハ下一)〙 ききちが・ふ 〘他ハ下二〙 内容をまちがえて聞く。聞きちがいをする。聞き誤る。聞きたがえる。
※虎明本狂言・鐘の音(室町末‐近世初)「あれもききちがへてめいわく致程に、此度はかんにんなされて」
咄本・鯛の味噌津(1779)佐理行成「『佐理行成の筆の跡にもおとりませぬ』といふをききちがへて〈略〉『いにしへのしゃれかうべが筆にもおとりますまい』」

きき‐たが・える ‥たがへる【聞違】

〘他ア下一(ハ下一)〙 ききたが・ふ 〘他ハ下二〙 =ききちがえる(聞違)
※為仲集(1085頃)「おなじところにやどりてききたがへてとてかへりにし」
申楽談儀(1430)奥書「右三十一ケ条、よもききたがへたることあらじ

きき‐たがい ‥たがひ【聞違】

御伽草子文正草子(室町時代物語大成所収)(室町末)「さりとも、いかで、ひめぎみの心にて、さやうの事は、あるべきに、人のききたかいにてこそ、あるらめ」

きき‐たが・う ‥たがふ【聞違】

[1] 〘他ハ四〙 =ききちがう(聞違)(一)
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒ききたがえる(聞違)

きき‐ちがえ ‥ちがへ【聞違】

〘名〙 話の内容や音などをまちがえて聞くこと。聞きちがい。聞き誤り。ききたがい。ききたがえ。
御湯殿上日記‐文明一五年(1483)一月七日「はんしゅの御れゐはききちかへなり」

きき‐ちがい ‥ちがひ【聞違】

※咄本・かの子ばなし(1690)上「何もそれはききちがひ也。金子の事にてはなし」

きき‐たがえ ‥たがへ【聞違】

〘名〙 =ききちがえ(聞違)藻塩草(1513頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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