デジタル大辞泉
「藻塩草」の意味・読み・例文・類語
もしお‐ぐさ〔もしほ‐〕【藻塩草】
1 アマモの別名。
2 藻塩1をとるために使う海藻。掻き集めて潮水を注ぐことから、和歌では多く「書く」「書き集む」にかけて用いる。
「あまたかきつむ―」〈栄花・岩蔭〉
3 《書き集めるものの意から》随筆や筆記などのこと。
「―とのみ筆を染め参らせ候」〈仮・恨の介・下〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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もしお‐ぐさもしほ‥【藻塩草】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 塩を採取するために用いる海藻。掻き集めて潮水を注ぐところから、和歌では多く「書く」「書き集める」に掛けて用い、また、歌などの詠草をもさす。
- [初出の実例]「まてがたにかきつむあまのもしほぐさけぶりはいかにたつぞとやきみ」(出典:斎宮女御集(985頃か))
- 「かかるにつけては、もしほ草かきあやまれることのはも数つもり」(出典:十訓抄(1252)序)
- ② ( 「書き集める」に掛けて ) 随筆・手紙・筆記などをいう。
- [初出の実例]「思ひしよりも硯に向ひ、よしなし言を心にまかせ、書きてぞをくるもしほぐさ」(出典:歌謡・松の葉(1703)二・もしほぐさ)
- ③ 植物「あまも(甘藻)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- [ 2 ]
- [ 一 ] 室町時代の連歌用語辞書。二〇巻一〇冊。宗碩著。永正一〇年(一五一三)頃の成立。寛永古活字版本などがある。連歌をよむための手引として、天象・時節・地儀・山類・水辺・居所・国世界・草部・木部・鳥類・獣類・虫類・魚類・気形・人倫并異名・人事・雑物調度・衣類・食物・言詞の二〇項目に分類して歌語などを集めたもの。
- [ 二 ] 古筆手鑑(こひつてかがみ)。一帖。仁和寺切(ぎれ)、難波切の万葉集、高野切などの古今集、家集など歌書や朗詠集の断片や、写経切など奈良・室町時代の古筆切(こひつぎれ)二四一葉を収集し帖仕立としたもの。国宝。
- [ 三 ] ( もしほ草 ) 「横浜新報もしほ草」の略称。慶応四年(一八六八)閏(うるう)四月から明治三年(一八七〇)三月まで刊行。横浜の居留地で岸田吟香がアメリカ人E=バン=リードと共同で発刊。国内ニュースを中心とした。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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藻塩草 (モシオグサ)
藻塩草 (モシオグサ)
藻塩草 (モシオグサ)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の藻塩草の言及
【手鑑】より
…この配列法は古筆流派によって異なるが,基本的には天皇を中心とする階級別構成と,高野切,石山切,三筆,三蹟などの名筆,および歌道書道宗家の筆蹟の3部により構成され,とくに大聖武と呼ばれる大字の写経断簡を巻頭に配するのを通例とする。遺品は数多いが,代表的なものとして《藻塩草》(京都国立博物館),《大手鑑》(陽明文庫),《翰墨城》(MOA美術館),《見ぬ世の友》(出光美術館)の国宝手鑑を挙げることができる。[古筆]【木下 政雄】。…
※「藻塩草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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