日本大百科全書(ニッポニカ) 「聯合報」の意味・わかりやすい解説
聯合報
れんごうほう / リエンハパオ
台湾の朝刊総合紙で、『中国時報』などとともに伝統ある有力紙の一つ。英文表記The United Daily News。ブランケット判。本社所在地は台北(たいほく/タイペイ)市。
創業者の王惕吾(おうてきご/ワンティウ)(1913―1996)は、浙江(せっこう/チョーチヤン)省出身で、黄浦(こうほ)軍官学校卒。1950年、副師団長(大佐)を退任後、民族報社長に就任。王は『全民日報』の発行人・林頂立(りんちょうりつ/リンディンリ)(1908―1980)、『経済時報』の発行人・范鶴言(はんかくげん/ファンハイエン)(1898―1973)と協議し、1951年9月、3紙を合併して『聯合報』(董事(とうじ)長=代表取締役は王惕吾)を創刊した。その後、林・范が経営陣から退出し、聯合報は事実上、王ファミリーの新聞となった。王は、編集・経営両面で積極的な改革を行い、1949年から1987年まで続いた戒厳令下にあっても、ライバル『中国時報』とともに部数を伸ばし、今日の基盤をつくった。1990年、中国と台湾との「和平統一」促進の社説を掲載するなど、政治的には「中台統一派」寄りの色彩が強く、1992年には台湾独立派市民から「不買運動」を起こされた。1993年に王惕吾の長女・王効蘭(おうこうらん/ワンシァオラン)(1941― )が発行人を継承した。
発行部数は公表されていないが、アメリカのマーケティングリサーチ会社のACニールセンによれば、2014年の聯合報の閲読率は5.5%(トップの『自由時報』は14.0%)。
『経済日報』『聯合晩報』『Upaper』『アメリカ・世界日報』『タイ・世界日報』および、インターネットサービスの聯合新聞網、聯合知識庫、聯合影音網、udn読書吧、テレビ局のudn tvなどとともに聯合報グループを形成している。
[木原正博 2016年11月18日]