肝性ミエロパチー

内科学 第10版 「肝性ミエロパチー」の解説

肝性ミエロパチー(肝疾患に伴う神経系障害)

(3)肝性ミエロパチー(hepatic myelopathy)
概念
 肝硬変に伴ってまれに痙性対麻痺を認めることがあり,肝性脳症合併することが多い.
臨床症状
 進行性の痙性対麻痺を認めるが,感覚障害や膀胱直腸障害は認めないか,あっても軽症とされる.病理組織学的には皮質脊髄路に左右対称性の脱髄変性,二次性の軸索変性を認める.脱髄変性は通常頸髄に始まり,全長にみられる.
病因
 門脈-大循環シャントによるアンモニアなどの化学物質の脊髄毒性,脊髄内の血行動態の変化などの説がある.
診断・治療
 臨床症状や肝硬変,肝性脳症の合併による.不可逆的な場合が多いが,肝移植後に症状が改善したという報告もある.[中里雅光]
■ 文献
Baccarani U, Zola E, et al: Reversal of hepatic myelopathy after liver transplantation: fifteen plus one. Liver Transpl, 16: 1336-1337, 2010.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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