肴舞(読み)サカナマイ

デジタル大辞泉 「肴舞」の意味・読み・例文・類語

さかな‐まい〔‐まひ〕【×肴舞】

酒宴に興を添えるために舞う舞。
床上げの祝いに舞う舞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「肴舞」の意味・読み・例文・類語

さかな‐まい ‥まひ【肴舞】

〘名〙
① 酒宴の席で肴として舞う踊り。酒の席に興を添える舞い。
※禅鳳雑談(1513頃)「ただ、さかな舞は何(いか)にも何(いか)にもかかはらず、さきへやり候て、しまひを、ふしのごとくひゃうしにのせ候てよく候」
病気平癒を祝っておどる舞い。床上げの祝の舞い。
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「座敷の壁に月の鏡を 肴舞鏱馗の精霊あらはれて〈素玄〉」

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世界大百科事典(旧版)内の肴舞の言及

【肴】より

…のちの包丁式はこうしたショーの形を整えたものである。歌舞や隠し芸を行うこともさかなと呼ぶようになり,〈肴舞(さかなまい)〉の語も生まれた。現在でもおせち料理にはめでたい食物としてかちぐり,ごまめ,かずのこ,コンブなどを用い,これを祝肴(いわいざかな)などと称するが,こうした風習は式肴といって,武家時代に重視されたものであった。…

【仕舞】より

… 〈仕舞〉という言葉は,所作や能の舞い方を意味する術語として室町期から用いられていた。また,酒宴の席などで能の一部分を謡い舞うことも行われていたが,それは〈肴舞〉(または座敷舞)と呼ばれ,余興的な芸であった。現在のような鑑賞芸としての仕舞の成立は,江戸初期まで下るようだ。…

【順の舞】より

…一般の宴会でも同様で,狂言《三人片輪》では〈いやいや順の舞じゃ,ひらに舞わしめ〉と強要している。宴の肴(さかな)の意味で肴舞の名称もあった。現在でも信濃,三河地方の雪祭や花祭の祭礼行事で,参集の役人が順次に神事舞の基本型を舞うことがあり,順の舞の名称を伝える。…

※「肴舞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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