胸腺摘出手術

六訂版 家庭医学大全科 「胸腺摘出手術」の解説

胸腺摘出手術
(脳・神経・筋の病気)

 重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)の患者さんの10~20%には胸腺腫瘍(きょうせんしゅよう)が合併することがよく知られ、また胸腺過形成が80%の患者さんにみられます。逆に、胸腺腫瘍の30%には重症筋無力症が合併します。

 この病気は、アセチルコリン受容体に対する自己抗体が原因になるので、免疫反応の抗原供給、抗体産生の場所である胸腺を除去することで重症筋無力症を治療しようするのが胸腺摘出手術です。

 眼筋のみに症状がとどまる場合は、手術をしないのが一般的です。手術後、症状が一時的に悪くなることも知られていますが、長期成績ではよい成績が報告されています。

 発症から手術までの期間が短いほうが成績がよいとされ、できれば2年以内に手術をしたほうがよいといわれています。とはいえ、2年以上経過した患者さんには手術を考慮しないというわけではありません。

 術後も抗体産生場所がゼロとはならないので、免疫抑制薬の投与が行われます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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