コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

胸腺 きょうせん thymus

翻訳|thymus

7件 の用語解説(胸腺の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胸腺
きょうせん
thymus

胸骨の後方,心膜および心臓大血管の前方にある葉状の器官。扁平な三角形を呈し,大きく右葉と左葉が認められ,さらに多数の胸腺小葉に区別される。小葉は皮質と髄質から成り,それぞれが上皮性の細網細胞と細網線維から構成されている。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

きょう‐せん【胸腺】

リンパ節に似た構造をもち、T細胞とよぶ細胞性免疫を受け持つリンパ球の分化・増殖に関与する器官。人間では胸骨の後ろ側、左右の肺の間の前部にある葉状の腺組織。幼時に発達するが思春期以降は退縮する。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

胸腺【きょうせん】

脊椎動物の免疫器官。鰓嚢(さいのう)に起源をもち,T細胞の分化の場となる。ヒトでは,胸骨上部の直後にある,左右両葉からなる器官で,ペプチド性のホルモンを分泌し,これがT細胞の分化を促すとされる。
→関連項目内分泌腺白血球リンパ系

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

栄養・生化学辞典の解説

胸腺

 免疫系の主要器官で,Tリンパ球を成熟させる器官.胸骨の後面にある.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

きょうせん【胸腺 thymus】

魚類以上のすべての脊椎動物に存在する免疫器官。鰓囊(さいのう)に由来し,T細胞の分化の場として役だっている。どの鰓囊から生じるかは,動物進化の程度によって異なっているが,組織構造は,ヒトの胸腺と類似点が多い。最下等の脊椎動物である無顎類(円口類)では,明確な胸腺は認められない。無顎類のうち,ヤツメウナギの幼生では,鰓囊上皮域にリンパ球の小集団があるが,これが原始胸腺であるとは断定できない。【村松 繁】
[ヒトの胸腺]
 ヒトの胸腺は胸骨の直後,心臓の前上方に位置する扁平な器官で,左右両葉に分かれるが,正中線でたがいに癒着している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

きょうせん【胸腺】

脊椎動物のリンパ組織の一。ヒトでは胸骨上部の後ろ側にあり、リンパ球と網状の上皮細胞からなる葉状の器官。リンパ球の分化増殖に関与。ここで生成されたリンパ球を T 細胞と呼び免疫機能の中枢的役割を担う。思春期まで増大を続けるが、その後退縮して脂肪組織に置換される。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胸腺
きょうせん

内分泌器官で、免疫機能にも関与し、T細胞を全身に送っている。胸腔(きょうくう)の縱隔上方かつ胸骨のすぐ後ろで、心臓および心臓大血管の前方に位置する、全体として扁平(へんぺい)な三角状の器官で、左葉と右葉とに区別できる。外観は薄い赤みを帯びていて、柔らかい構造をしている。胎生後期から出生児では長さ5~6センチメートル、厚さ1~14センチメートル、重さ15グラムほどに成長し、思春期ごろまでさらに発達し(30グラム以上)、以後は急速に退化して脂肪塊の痕跡(こんせき)となる。
 内部構造は細網組織が基本となり周辺部の皮質と深部の髄質とに区別できるが、皮質部にはとくに未熟なT細胞が密在し、髄質部は著明な細網構造のなかに主として成熟したT細胞が存在している。この髄質部の中心部にハッサル(Hassall)小体とよぶ構造があり、この小体の働きはリンパ球の分化に役だつと考えられたこともあるが、詳細は不明である。
 胸腺の機能についてはまだ不明な点が多いが、動物実験などで、生殖腺を除去しておくと胸腺の退化が遅くなったり、性ホルモンの投与によって胸腺の退化が促進されることなどから、胸腺は生殖腺の支配を受けているとも考えられる。胸腺を早期に摘出しても内分泌作用に影響がないことから、内分泌機能よりもリンパ組織としての機能が考えられるようになった。胎生期には骨髄その他の造血器にあったリンパ芽(が)細胞が、胸腺に移って増殖するようになると考えられるようになった。胸腺で増殖するリンパ球をTリンパ球とよんでおり、このリンパ球(リンパ芽細胞)も生後間もなくリンパ結節に移動することが知られている。
 小児などで年齢不相応に、胸腺やリンパ結節など全身のリンパ組織が肥大し、心臓の血管などの発達が不十分な体質異状を胸腺リンパ体質という。この体質の人は成長発育の不全や生活力の低下を伴い、抵抗力が弱く、抜歯や注射などのわずかの外的刺激で障害を生じることもある。その他、バセドウ病、重症筋無力症、副腎(ふくじん)障害、白血病などのときにも、胸腺肥大がおこることがある。胸腺肥大の原因は副腎皮質障害ともっとも関係が深いことも指摘されている。[嶋井和世]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の胸腺の言及

【内分泌腺】より

…この物質は血中に入り,血管や副腎皮質に作用するので一種のホルモンとみなされる。(13)胸腺 鰓囊起源である。骨髄でできたリンパ球が胸腺の中で,その分泌するサイモシンにより抗原反応性細胞(T細胞)となる。…

【ホルモン】より

…ただし,爬虫類,両生類,魚類では光の感覚器官として存在するので,〈腺〉ではない。(15)胸腺 サイモシン,サイモポイエチン,リンパ球増生因子などの物質が抽出されているが,ホルモンとして確認はされていない。(16)魚類尾部下垂体のホルモン アミノ酸41個のウロテンシンIと,アミノ酸が11個でS-S結合一つをもつウロテンシンIIがある。…

※「胸腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

胸腺の関連キーワード外耳原索動物後生動物発生ホスファゲン無脊椎動物脊椎辷り症消化管免疫組織水産動物微胞子虫目

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

胸腺の関連情報