内科学 第10版 「腎動脈瘤・腎動静脈奇形」の解説
腎動脈瘤・腎動静脈奇形(腎と血管障害)
腎動脈瘤は破裂すると出血性ショックや腎梗塞を起こす.腎動静脈奇形は肉眼的血尿,高血圧症などによって発見される.
病態生理・診断
腎動脈瘤は,まれな疾患で,通常無症状である.破裂や腎血栓症・塞栓症を併発すると問題となる.多くの場合,腎動脈主幹部に認める.確定診断には,血管造影が必要となる.最も問題になるのは破裂のリスク評価である.手術適応としては,①直径1.5〜2.0 cm 以上のもの,②若い女性で妊娠の可能性がある場合,③サイズが増大するもの,などがあげられる. 腎動静脈奇形は腎血管撮影の動脈相で静脈の描出がみられる.
治療
いずれも,カテーテルを用いたコイルやエタノールによる塞栓術が試みられている.[木村玄次郎]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報