塞栓症(読み)ソクセンショウ(その他表記)embolism

翻訳|embolism

デジタル大辞泉 「塞栓症」の意味・読み・例文・類語

そくせん‐しょう〔‐シヤウ〕【塞栓症】

血管リンパ管の中に、遊離した血栓外部から入った脂肪空気・寄生虫卵・細菌などの異物が詰まり、流れを止めるために生じる循環障害。詰まった場所から末端組織機能障害懐死えしを起こす。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塞栓症」の意味・わかりやすい解説

塞栓症
そくせんしょう
embolism

血管やリンパ管内で生じた栓子や,血管外から侵入した異物によって小血管の内腔がふさがれて起る病気。心臓内に生じた血栓によることが多く,骨折外傷の際,破壊された組織から遊離した脂肪による脂肪塞栓,外科手術のとき誤って静脈に入った空気による空気塞栓などもある。脳,肺,腎臓の血管,冠状動脈などを侵すことが多く,この場合は,脳軟化症,肺の出血性梗塞,腎臓の貧血性梗塞を起す。治療には抗凝固剤などを投与する薬物療法や塞栓摘除術その他が行われる。

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世界大百科事典(旧版)内の塞栓症の言及

【血栓】より

… 血栓は,動脈よりは静脈にできやすく,また心臓では心耳や弁膜にできやすい。血栓は,水分が吸収されてもろくなり,ちぎれて血液の流れにそって体の他の部分に移動し,血管の内腔を閉塞して塞栓症の原因となる。2次的に細菌感染をおこすと,化膿,軟化して菌血症や敗血症の原因ともなる。…

【塞栓】より

血栓が流血中に脱落したり,異物が脈管内に流れ込んだりして,血液またはリンパ液により運ばれて,細い血管またはリンパ管に達して,それ以上進むことができなくなって管腔を閉塞する。このように管腔を閉塞したものを塞栓,このような現象を塞栓症embolismという。塞栓の大部分は血栓であるが,そのほか細胞や組織塊,脂肪,色素,寄生虫体および虫卵,細菌塊,ガスまたは空気であることもある。…

※「塞栓症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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