日本大百科全書(ニッポニカ) 「臨淮関」の意味・わかりやすい解説
臨淮関
りんわいかん / リンホワイコワン
中国、安徽(あんき)省北部、滁州(ちょしゅう)市鳳陽(ほうよう)県東部の鎮。人口5万(2016)。淮河(わいが)の南岸、京滬(けいこ)線の沿線に位置する。漢代の鍾離(しょうり)県の地で、明(みん)代に臨淮県に改められ、1754年に鳳陽県に編入され現在に至る。淮南(わいなん)市寿(じゅ)県に属する正陽関(せいようかん)鎮とともに省北部の商業の中心地である。清(しん)代に戸部榷課(こぶかくか)・巡検が置かれて税を徴収したので、県が廃止されたあとも旧県城を臨淮関とよんだ。1912年の津浦(しんぽ)線(現、京滬線)開通と蚌埠(ほうふ)市の発展により、かつての繁栄は失われたが、なお穀物やタバコなど農産物の集散地として重要である。木製品、ゴム、製油などの工場が立地する。
[林 和生・編集部 2017年7月19日]