最新 地学事典 「臨界分解剪断応力」の解説
りんかいぶんかいせんだんおうりょく
臨界分解剪断応力
critical resolved shear stress
結晶内の転位すべりや変形双晶(機械的双晶)を生じさせる分解剪断応力の臨界値。結晶内の転位すべりや変形双晶は,ある特定の原子面(結晶面)で,特定の結晶学的方位で生じる。これらはすべり,あるいは双晶方向への分解剪断応力がある臨界値に達したときに起きる。単結晶のすべり実験を想定すると,分解剪断応力(τ)はτ=σcosφcosλと書ける。ここで,σは軸応力,φとλは軸方向がすべり面に垂直な方向およびすべり方向とそれぞれなす角度である。cosφcosλはシュミット因子と呼ばれており,0~0.5の間の値をとる。シュミット因子の大小により,その結晶が転位すべりや双晶形成に対して好都合か不都合かが判断される。また結晶方位のみに基づき,それぞれ軟らかい粒子および硬い粒子とも呼ばれる。
執筆者:竹下 徹
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

