双晶(読み)ソウショウ(その他表記)twin

翻訳|twin

デジタル大辞泉 「双晶」の意味・読み・例文・類語

そう‐しょう〔サウシヤウ〕【双晶】

2個以上の鉱物などの結晶が、一定角度で規則正しく結合しているもの。水晶の接合双晶、斜長石の繰り返し双晶など。→連晶平行連晶

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精選版 日本国語大辞典 「双晶」の意味・読み・例文・類語

そう‐しょうサウシャウ【双晶】

  1. 〘 名詞 〙 二つ以上の同種類の結晶固体が一定の規則性をもって一つに結合したもの。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「双晶」の意味・わかりやすい解説

双晶 (そうしょう)
twin

同一の種類の結晶の集合状態の一種。一つの種類の結晶ができるときには,遊離した個々単結晶となる場合もあるが,多くは結晶個体が互いにくっつきあった集合体となる。これらの集合体の中では個々の結晶の方位が不規則であるのが普通であるが,ときには二つの結晶個体の相互の方位にある幾何学的な規則性がある場合があり,それら2個体の方位が互いに異なればこれを双晶という。また,2個体が互いに平行にくっつきあっている場合にはこれを平行連晶parallel growthという。双晶も平行連晶も凹入角(くぼんだところ)を示すことが多い。双晶をつくる二つの結晶個体をA,Bとし,AとBの相互の方位関係が,ある軸のまわりにAをある角度だけ回転するとBに重なる場合には,その軸を双晶軸という。またある面に対してBがその面によるAの鏡映像の関係にあれば,その面を双晶面という。AとBとが互いに接する面を接合面という。接合面は平面とは限らず,不規則な形となることがある。双晶は結晶の成長時に生ずるほかに,すでにできあがった単結晶に外力を加えることによっても起こることがあり,例えば,方解石の結晶の稜にナイフの刃を押し付けることによっても双晶をつくることができる。
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百科事典マイペディア 「双晶」の意味・わかりやすい解説

双晶【そうしょう】

二つの同種結晶が一つの平面を対称面として,または一つの直線を2回対称軸対称)として,結合していること。対称面を双晶面,対称軸を双晶軸という。二つ以上の結晶の場合にはそれぞれ三連晶,四連晶,集片双晶という。対称心のある結晶では双晶面,双晶軸とも存在し,両者は互いに直角一方,対称心のない結晶では,いずれか一方しか存在せず,双晶面をもつ場合が反射双晶,双晶軸をもつ場合が回転双晶。双晶する二つの結晶は平面(接合面)で結合する場合(接合双晶)と互いに透入しあう場合(透入双晶,または貫入双晶とも)がある。一つの結晶にひずみを与えると双晶となることは確かだが,双晶の生因一般は不詳。
→関連項目単結晶平行連晶ムーンストーン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「双晶」の意味・わかりやすい解説

双晶
そうしょう
twin

2個の結晶が一定の結晶学的関係を保つよう接合して一つの結晶個体になったもの。その結晶個体に2回回転軸に相当する対称軸があるときにはその軸を双晶軸、鏡映面に相当する対称面があるときにはその面を双晶面という。接合した2個の結晶が平面で接していたならば、その接合面は双晶面と一致するか、あるいはそれに垂直である。双晶は見かけ上、単結晶のようであるが、X線回折挙動が複雑であり、精密な構造解析は困難なことが多い。

[岩本振武]

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化学辞典 第2版 「双晶」の解説

双晶
ソウショウ
twin

同じ化学組成,同じ結晶構造からなる2個の結晶固体が,ある平面を対称面として2回の対称軸の関係で結合しているものをいう.この対称面のことを双晶面といい,共通な軸のことを双晶軸という.接合面の法線と双晶軸は一致する場合が多い.結合の形から接触双晶,貫入双晶,輪座双晶などとよび分けられることもある.また,数多くの結晶固体が同じ双晶の繰り返しで集合しているものを集片双晶という.もとの結晶固体が高い対称から少しずれた構造をしている場合には,双晶をつくりやすく,その結果,あたかも高い対称をもっているかのようにみえる場合もある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「双晶」の意味・わかりやすい解説

双晶
そうしょう
twin

特定の方位関係と境界面をもつ2つ以上の単結晶から成る結晶。境界面に関して鏡映の方位をとる場合が多く,鏡映面を双晶面と呼ぶ。双晶境界のエネルギーは通常の多結晶粒界のエネルギーに比べて非常に小さい。双晶は結晶成長の際,および結晶を焼なましたり,塑性変形 (→永久ひずみ ) をさせる際に生じる。

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世界大百科事典(旧版)内の双晶の言及

【双子】より

…双生児ともいう。1回の分娩で2子が生まれること。
【医学からみた双子】
 双子を妊娠していることを双胎妊娠といい,また2人以上を妊娠しているとき多胎妊娠という。双胎妊娠の頻度は世界的にみて平均すると約80回の妊娠に1回といわれているが,民族や地域によって多少の差があり,北欧のデンマーク,スウェーデンでは1.5~1.6%と多く,南米諸国,ベトナム,中国ではずっとその頻度が少なくなる。日本ではちょうど中間くらいで,約1%とされている。…

【結晶】より

…多結晶の例には,器具類や機械類の材質である種々の金属がある。なお,2個の単結晶が向きを異にしてくっつきあっていて,その接合に一定の規則性がある場合があり,それを双晶とよぶ。また無定形物質の例としてはゴムやガラスがある。…

※「双晶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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