翻訳|twin
同一の種類の結晶の集合状態の一種。一つの種類の結晶ができるときには,遊離した個々の単結晶となる場合もあるが,多くは結晶個体が互いにくっつきあった集合体となる。これらの集合体の中では個々の結晶の方位が不規則であるのが普通であるが,ときには二つの結晶個体の相互の方位にある幾何学的な規則性がある場合があり,それら2個体の方位が互いに異なればこれを双晶という。また,2個体が互いに平行にくっつきあっている場合にはこれを平行連晶parallel growthという。双晶も平行連晶も凹入角(くぼんだところ)を示すことが多い。双晶をつくる二つの結晶個体をA,Bとし,AとBの相互の方位関係が,ある軸のまわりにAをある角度だけ回転するとBに重なる場合には,その軸を双晶軸という。またある面に対してBがその面によるAの鏡映像の関係にあれば,その面を双晶面という。AとBとが互いに接する面を接合面という。接合面は平面とは限らず,不規則な形となることがある。双晶は結晶の成長時に生ずるほかに,すでにできあがった単結晶に外力を加えることによっても起こることがあり,例えば,方解石の結晶の稜にナイフの刃を押し付けることによっても双晶をつくることができる。
執筆者:定永 両一
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同じ化学組成,同じ結晶構造からなる2個の結晶固体が,ある平面を対称面として2回の対称軸の関係で結合しているものをいう.この対称面のことを双晶面といい,共通な軸のことを双晶軸という.接合面の法線と双晶軸は一致する場合が多い.結合の形から接触双晶,貫入双晶,輪座双晶などとよび分けられることもある.また,数多くの結晶固体が同じ双晶の繰り返しで集合しているものを集片双晶という.もとの結晶固体が高い対称から少しずれた構造をしている場合には,双晶をつくりやすく,その結果,あたかも高い対称をもっているかのようにみえる場合もある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…双生児ともいう。1回の分娩で2子が生まれること。
【医学からみた双子】
双子を妊娠していることを双胎妊娠といい,また2人以上を妊娠しているとき多胎妊娠という。双胎妊娠の頻度は世界的にみて平均すると約80回の妊娠に1回といわれているが,民族や地域によって多少の差があり,北欧のデンマーク,スウェーデンでは1.5~1.6%と多く,南米諸国,ベトナム,中国ではずっとその頻度が少なくなる。日本ではちょうど中間くらいで,約1%とされている。…
…多結晶の例には,器具類や機械類の材質である種々の金属がある。なお,2個の単結晶が向きを異にしてくっつきあっていて,その接合に一定の規則性がある場合があり,それを双晶とよぶ。また無定形物質の例としてはゴムやガラスがある。…
※「双晶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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