M.シェリフと A. H.キャントリルが定式化した概念。両者によると,自己評価や自分の役割などに影響する他人の実際的あるいは想像的反応に規定されるような態度を自我包絡的態度といい,このような態度がわれわれの行為選択を規定するとき自我包絡されているという。このような自我包絡的態度を形成する他人の反応とは,自分の所属集団やことに準拠集団を構成する諸個人の反応であり,またそのような態度は自分が支持する一定の対象に対する支持が弱まっているときに,つまり自分の信念や利益が危険なときに強められる。結局,自我包絡とは他人の態度を自分にかかわりのあるものと感じ,これに自我を関与させること,自我に取込むことである。