自民党総裁選(読み)じみんとうそうさいせん

共同通信ニュース用語解説 「自民党総裁選」の解説

自民党総裁選

自民の総裁を決める選挙。自民が現在、衆院過半数を占めるため事実上、次の首相が決まる。立候補には党所属国会議員20人の推薦が必要となる。国会議員票367票と党員党友による地方票367票の計734票を争い、過半数に達した候補当選。過半数に達する候補がいなければ、上位2人が決選投票に進む。決選投票は国会議員と47都道府県連が1票ずつ持つ。各都道府県連の1票は上位2人のうち地方票が多い候補に充てられる。総裁の任期は3年。

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知恵蔵 「自民党総裁選」の解説

自民党総裁選

自民党党則では、総裁が欠けた場合は衆参両院議員による選挙を行うことになっている。2000年4月に小渕恵三首相(自民党総裁)が脳梗塞で倒れ、再起が絶望視されたことによって、自民党総裁選が行われることになったが、派閥首脳たち(森喜朗幹事長、亀井静香政調会長、野中広務幹事長代理、村上正邦参院議員会長、青木幹雄官房長官=いずれも当時。これが「5人組の密議」と呼ばれた)の話し合いで森幹事長を後継総裁に推すことが決まり、他に立候補の動きもなかったことから、選挙がないまま、森が新総裁に就任した。総裁候補といわれた加藤紘一元幹事長も、小渕が倒れた異常事態を考慮して立候補しなかった。同年6月の総選挙で自民党は271議席を233議席に減らしたが、与党3党で271議席という絶対安定多数を維持したこともあって、森首相は続投し、加藤らも首相の責任を追及しなかった。加藤はその5カ月後に森内閣不信任案に同調する動きを見せたが、結局不発に終わった。森首相の退陣表明を受けた01年4月の総裁選には、小泉純一郎、橋本龍太郎亀井静香、麻生太郎が立候補。各都道府県に3票を与え、国会議員の票と合わせて争う仕組みとなった。都道府県連のほとんどは予備選を行い、1位の候補が3票を独占するところが多かった。小泉は地方で有利な戦いを進め、圧勝した。国会議員の投票でも亀井が辞退したため、小泉が1回目で投票総数の過半数に当たる298票をとり、橋本の155票、麻生の31票に大差をつけて新総裁に選出された。小泉は参院選後の8月10日の自民党両院議員総会で再選が承認された。03年9月の総裁選は小泉、亀井に橋本派の藤井孝男、高村派の高村正彦の4人で争われた。地方票は比例配分(ドント式)となり、青木幹雄が率いる橋本派の参院議員約40人が小泉支持に回ったことなどから小泉が圧勝。得票は小泉(議員票194、地方票205、計399)、亀井(66、73、139)、藤井(50、15、65)、高村(47、7、54)だった。小泉は再選を受けて、当選3回の安倍晋三前官房副長官を党幹事長に起用するなどの新体制を組み、総選挙に向けて党の「刷新」をアピールした。小泉は05年の郵政総選挙で圧勝したが、党則通り06年9月の任期満了で退陣。総裁選では安倍晋三が谷垣禎一、麻生太郎を破って第21代自民党総裁に就任、首相に指名された。その後07年9月に福田康夫が、08年9月には麻生太郎が自民党総裁に就任し、首相に指名された。

(星浩 朝日新聞記者 / 2008年)

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