舳峰峠(読み)へのみねとうげ

日本歴史地名大系 「舳峰峠」の解説

舳峰峠
へのみねとうげ

平戸往還筋にある峠。標高約七五メートル。重尾しげお峠ともいう。戦国期は勢力の拮抗する地で、天正一四年(一五八六)一〇月三日、平戸松浦氏方の長崎主膳と大村氏方の大村与一の間で領境の交渉が行われ、この峠を境界線にしたという。江戸時代には平戸藩領南部の関門のような性格をもち、南の城間じようまには番所が置かれ、早岐押役の管轄下であった。境界標柱に「従是西平戸藩支配所」「従是西平戸領」「従是南大村領」とある。文化九年(一八一二)一二月一九日、伊能忠敬測量隊一行がこの付近を測量、「舳の峯峠、大村領宮ノ村、平戸領早岐村広田堺(中略)平戸領口留番所字舳ノ峯峠、字小曲、字茶屋辻、字重尾、字御手洗、字浦ノ河内」などと記される(伊能忠敬測量日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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