朝日日本歴史人物事典 「芸愛」の解説
芸愛
室町中期の画家。「芸愛」と読める印章のみによってその存在が知られ,いまだ史料のなかにその名が見いだされていないが,その力量からかなり重要な地位を占めた画家と推測される。長享3(1489)年の年記のある「草花図下絵」(個人蔵)が近年発見され,おおよその活躍期が知られる。かつては将軍家の御用絵師小栗宗湛の子,宗栗と同一人と考えられていたが,現在では別人とする説が有力。代表作である「山水図巻」(個人蔵)は,長大な画巻形式の水墨山水画の稀有な作例として貴重である。<参考文献>『日本美術絵画全集』2巻
(山下裕二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報