荒木船(読み)あらきぶね

精選版 日本国語大辞典 「荒木船」の意味・読み・例文・類語

あらき‐ぶね【荒木船】

  1. 〘 名詞 〙 長崎の朱印船貿易商荒木宗太郎の外国貿易船。元和五年(一六一九)安南渡海の朱印状を下付された。同八年に描かれた図によれば、中国型ジャンクと西洋型帆船ガレウタとを折衷した構造艤装の船で、同系統のシャム船よりも洋式化が強い。当時この種の船をミスツイス造りとか日本前と称した。五〇〇トン前後と推定される。
    1. 荒木船
      荒木船
    2. [初出の実例]「奉書船といふは〈略〉長崎には末次平蔵船二艘、船本彌七郎、荒木船、糸屋随右衛門船なり」(出典:長崎縁起略記(1712))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の荒木船の言及

【荒木宗太郎】より

…記録の上では1606年(慶長11)に暹羅(シヤム)に,10年には交趾(コーチ)に,そして19年(元和5)から32年(寛永9)まで数回交趾にみずから渡航したが,交趾の高官阮(グエン)氏に信頼され,貴族の待遇を受け,阮氏の娘を妻とするなど,当時の有力な朱印船貿易家であった。荒木船の船旗はオランダ東インド会社のマークを逆さにしたものを使用していた。宗太郎の子孫は代々長崎西築町の町乙名(町名主にあたる)を務め,同家には船旗や安南(アンナン)国書,同国製の鏡などを伝えていた。…

※「荒木船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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