日本大百科全書(ニッポニカ) 「華嵓」の意味・わかりやすい解説
華嵓
かがん
(1682―1755?)
中国、清(しん)代の画家。字(あざな)は秋岳。新羅山人(しんらさんじん)の号で親しまれ、ほかに白沙道人、東園生など。福建省上杭(じょうこう)(一説に臨汀(りんてい))の人。人物、山水、花鳥、草虫に巧みで、とくに花鳥に優れ惲格(うんかく)と並び称された。銭塘(せんとう)(浙江(せっこう)省杭州)に住み、ついで揚州に住み着いて、金農、汪士慎(おうししん)らと交わった。彼らと性格的にも共通するところがあって、揚州八怪系の画人の一人にあげられるが、表現を抑えたその清雅な画品は八怪と志向を異にしている。晩年にはふたたび杭州に帰った。詩書画いずれもよくし、自画中に多く自作の詩をつけている。
[星山晋也]