山水(読み)サンスイ

デジタル大辞泉の解説

さん‐すい【山水】

[名]
山と水。山と水のある自然の景色。
築山(つきやま)と池とがある庭園。「枯(かれ)山水
山水画」の略。
山から出る水。やまみず。〈日葡
[形動ナリ]ものさびしいさま。みすぼらしいさま。
「―なる者ありしが、洗濯をしたく思へど着替へなし」〈咄・居合刀・四〉

やま‐みず〔‐みづ〕【山水】

山から流れ出る水。
山と水。また、山と水のある風景。さんすい。

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世界大百科事典 第2版の解説

さんすい【山水 shān shuǐ】

山水は自然のかたちであり自然そのものである。唐末に風景という用語もあるが,それは風と光とを意味し,中国人は自然をそこまで非実体化し抽象化することはなかった。《山海経(せんがいきよう)》は山々に神々が住むことをいうが,竜身,蛇身,魚身の神々も多く,山神であると同時に水神でもあろう。神話的世界の神としては洪水神が最も古いが,夏系の(こん)や禹が魚身から熊に変じて治水を行ったとか,竜身の共工という洪水神をもつ羌(きよう)族は嵩(すう)岳を祖神とするといったように山神・水神は対をなしているようで,苗系の女媧(じよか)・伏羲(ふくぎ)の説話のように破壊と復活を意味し,山水は神と帝,聖と俗といった観念でとらえられていたかもしれない。

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大辞林 第三版の解説

さんすい【山水】

( 名 )
山と川。また、自然の景色。
山水画」に同じ。
山中を流れる水。やまみず。 〔日葡〕
( 形動ナリ )
ものさびしいさま。みすぼらしいさま。 「今は山も麓に見落とされて-なるありさま/浮世草子・禁短気」

せんすい【山水】

さんすい(山水)」に同じ。

やまみず【山水】

谷川の水。
山と水。さんすい。

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精選版 日本国語大辞典の解説

さん‐すい【山水】

[1] 〘名〙
① 山と水。山と河。また、自然地理的な山河から転じて、世俗的人間社会と対比される自然界一般をいうことがある。
※懐風藻(751)遊龍門山〈葛野王〉「命駕遊山水、長忘冠冕情」 〔魏志‐賈詡伝〕
② 視覚的な景観に重きをおいて、山と水とのある景色。自然の風景。
※懐風藻(751)侍宴〈守部大隅〉「聖衿愛韶景。山水翫芳春」
※草枕(1906)〈夏目漱石〉三「自から烏有(ういう)の山水を刻画(こくくゎく)して」
※山槐記‐治承四年(1180)一〇月九日「雖南殿、山水障子可何難哉」
※咄本・軽口御前男(1703)二「床にかかりし雪舟の山水(サンスイ)の掛物を見て」
※作庭記(1040頃か)「よりくる所々に風情をめぐらして、生得の山水をおもはへて」
⑤ 山中にある水。やまみず。たにがわ。〔日葡辞書(1603‐04)〕 〔戦国策‐楚策・頃襄王〕
⑥ 酒。
※経覚私要鈔‐宝徳二年(1450)八月六日「就其雖軽微憚入候、山水二双・一種令覧之候」
[2] 〘形動〙
① わびしいさま。物さびたるさま。おちぶれてみすぼらしいさま。貧しげなさま。
※評判記・色道大鏡(1678)一「山水 物のさびたる事に云ふ。少分なる事にもいふ」
※咄本・軽口居合刀(1704)四「さんすいなる者ありしが、洗濯をしたく思へど着がへなし」
② 小粋な姿のさま。
※評判記・野良立役舞台大鏡(1687)小桜千之助「おひめさま役をうけ取村山座の太夫也。さんすいな事の目もとをたよりに」

せん‐すい【山水】

〘名〙 (「せんずい」とも) 日本式庭園で、築山(つきやま)を設け、池をうがったもの。また、山と水のある風景。さんすい。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「いみじく尽くして、れいの四季の絵なれど、めづらしきせんすいたんなど目馴れずおもしろし」

やま‐みず ‥みづ【山水】

〘名〙
① 山と水。また、山と水の見える景色。さんすい。
※源氏(1001‐14頃)若紫「山水に、心とまり侍りぬれど」
② 山から流れ出る水。山の水。山下みず。
※後撰(951‐953頃)恋一・五九〇「ゆく方もなくせかれたる山水のいはまほしくもおもほゆる哉〈よみ人しらず〉」
③ 「やまみずてんぐ(山水天狗)」の略。〔譬喩尽(1786)〕

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世界大百科事典内の山水の言及

【山水画】より

…山や水といった個々具体的な表現素材を駆使して構成される,全体としては理想的な山水の画。いわゆる風景画とは異なる。…

※「山水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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