菱沼五郎(読み)ひしぬま ごろう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「菱沼五郎」の解説

菱沼五郎 ひしぬま-ごろう

1912-1990 昭和時代国家主義者
大正元年8月20日生まれ。井上日召(にっしょう)に私淑し,血盟団に加盟。昭和7年団琢磨(だん-たくま)を射殺。9年無期懲役となるが,15年仮出所。戦後は小幡五朗と改名,茨城県会議員,同議長をつとめた。平成2年10月3日死去。78歳。茨城県出身。岩倉鉄道学校卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の菱沼五郎の言及

【井上日召】より

…中国で放浪生活を続けた後,日蓮宗に帰依して日召と号す。1924年ごろから社会改革を行う決意を固め,28年茨城県に設立した立正護国堂で小沼正,菱沼五郎ら近村青年を指導した。30年には霞ヶ浦海軍飛行学校の藤井斉ら海軍青年将校と提携して非合法運動に路線転換する一方,陸軍青年将校の一派とも結んだ。…

【血盟団事件】より

井上日召を盟主とする一団によるファッショ的〈国家改造〉をめざすテロ事件。1932年2月9日,前大蔵大臣井上準之助が,3月5日には三井合名理事長団琢磨が,それぞれ小沼正,菱沼五郎によってピストルで射殺され,犯人逮捕から,政財界要人20余人の暗殺計画が明らかになった。この血盟団の首謀者井上日召は,1920年代後半,支配階級の腐敗,農村の窮乏,社会主義思想の影響の広がりに危機感を抱き,1928年以後,茨城県磯浜(現,大洗町)の立正護国堂にこもり,〈国家改造〉への決意を固め,付近の小学校教員,農村青年を同志に獲得。…

※「菱沼五郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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