落ち度(読み)おちど

精選版 日本国語大辞典 「落ち度」の意味・読み・例文・類語

おち‐どヲチ‥【越度・落おち度】

  1. 〘 名詞 〙 あやまち。手落ち過失。おつど。
    1. [初出の実例]「為朝鎮西には居住して、今迄各を見知ざりけるこそ越度(ヲチド)なれ」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
    2. 「ヲツド。または、vochido(ヲチド)。ノリヲ コユル〈訳〉あやまち、または罪悪」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    3. 「言ふと此方(こっち)落度になる」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉五)

落ち度の語誌

古くは「越度」と書かれ、ヲッドまたはヲチド、ヲツドとよまれたと思われる。「越度」は元来「おつど(越度)」のような許可証なしに関所を越え度(わた)る関所破りの罪であるが、中世には関所の制が衰える一方、「度」が規則と解せられ、日葡辞書のように「のりをこゆる」罪悪、違法の意から更に過失、手落ちをいうようになった。近世には「落度」の表記も見え、明治になって過失の「落度」が一般化した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android