落ち武者は薄の穂に怖じる(読み)おちむしゃはすすきのほにおじる

ことわざを知る辞典 の解説

落ち武者は薄の穂に怖じる

びくびくしている者は、何でもないものまで恐れることのたとえ。

[解説] 秀吉の刀狩り以前は農民武器を所有し、戦乱の際には落ち武者を襲い武具甲冑を奪って金にするほか大将の首を挙げて報奨金も得ようとしました。落ち武者は、敵方のみならず、いつ襲ってくるかわからぬ農民による落ち武者狩りの恐怖にもさらされ、勢いささいなことにも用心し、びくびくすることになります。そうした時代背景を下に生み出された表現で、世情が安定した後には、怖いと思えばなんでもないものまで恐ろしく感じられるという心の持ちようのたとえとして用いられるようになりました。

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android