精選版 日本国語大辞典 「大将」の意味・読み・例文・類語
たい‐しょう ‥シャウ【大将】
〘名〙 (古くは多く「だいしょう」)
※続日本紀‐天平神護元年(765)二月甲子「改二授刀衛一為二近衛府一、其官員、大将一人為二正三位官一」
※神道集(1358頃)三「是以て伝教大師は仏法の大将として」
※人情本・春色恵の花(1836)二「ヲイヲイ大将大将、〈これはおいらんこの糸にいふことば、しゃれていふ也〉なんぞうめへものを好んでやらねへか」
⑥ 十二神の一つ一つ。
[語誌](1)①は、天平神護元年、授刀衛を近衛府と改めたときは正三位相当官一名であったが、大同二年(八〇七)に左右近衛府ができて二名となる。以後、従三位相当で、多く大納言が兼任したが、大臣や参議で兼ねる者もいた。タイシャウと読んだのかダイシャウと読んだのかは不明。
(2)②は、武士の台頭が起こる院政期から見え始める。この時期の読みの清濁も不明。読みがはっきりするのは、中世末期、「永祿二年本節用集」で、官職の場合はダイショウ、軍統率者の場合はタイショウと読み分けている。以後の節用集の多くも同様。「日葡辞書」にも「Daixǒ 内裏の宮廷における或る官職」と「Taixǒ 大将」とが別項目になっているが、江戸期になると判然としなくなる。
(2)②は、武士の台頭が起こる院政期から見え始める。この時期の読みの清濁も不明。読みがはっきりするのは、中世末期、「永祿二年本節用集」で、官職の場合はダイショウ、軍統率者の場合はタイショウと読み分けている。以後の節用集の多くも同様。「日葡辞書」にも「Daixǒ 内裏の宮廷における或る官職」と「Taixǒ 大将」とが別項目になっているが、江戸期になると判然としなくなる。
おおい‐いくさのきみ おほい‥【大将】
〘名〙 大将軍。おおきいくさのかみ。
※書紀(720)雄略九年三月(前田本訓)「拝(ことよ)さして大将(オホイイクサノキミ)と為」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報