精選版 日本国語大辞典 「落とし付ける」の意味・読み・例文・類語
おとし‐つ・ける【落付・落着】
- 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]おとしつ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 - ① 気持や考えを落ちつかせる。
- (イ) 気持を落ちつける。考えを定める。なだめる。
- [初出の実例]「今より後科をおかすまじきとかたくおとしつくるにおゐては」(出典:病者を扶くる心得(1593)第二)
- 「いかにもいかにも一通り聞届しと松三郎に魂をおとし付させ」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)四)
- (ロ) 落ちつきはらう。どっしりと構える。
- [初出の実例]「万事おとしつけて居たる客には太夫気をのまれて」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)一)
- (ハ) 決着させる。落着させる。判決を下す。
- [初出の実例]「此春中、国中都留郡と御和ほく落付」(出典:勝山記‐永正七年(1510))
- (イ) 気持を落ちつける。考えを定める。なだめる。
- ② 強いて、それときめてしまう。それだときめこむ。
- [初出の実例]「夢の時がしきの荘子やら、さめた時がしきの荘子やら、ゑをとしつけぬぞ」(出典:古活字本荘子抄(1620頃)一)