蒙古ひだ(読み)もうこひだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蒙古ひだ」の意味・わかりやすい解説

蒙古ひだ
もうこひだ

蒙古人(モンゴロイド)に多くみられる内眼角眼瞼縁(がんけんえん)の特徴的なひだをいい、蒙古皺襞(しゅうへき)ともいう。上下の眼瞼縁(まつげが生えている部分)が鼻側で合する部分を内眼角(目頭)とよぶが、この部分は円い陥凹部(涙湖(るいこ))となっている。この涙湖や、涙湖の中の涙丘という高まりが、内眼角のひだで覆われてしまい、外部から見えない状態になるとき、これを蒙古ひだとよぶ。蒙古ひだは、上眼瞼縁の上側をこの眼瞼縁と平行に走る溝(上眼瞼溝(こう))が上眼瞼縁のごく近くを走る場合にできるもので、内眼角に向かって走り、内眼角を覆ってしまう。この場合、内眼角は外見上、鋭くとがる。上眼瞼溝が眼瞼縁からかなり離れて走ると、はっきりとした二重眼瞼(いわゆる二重瞼(ふたえまぶた))になる。日本人の蒙古ひだについては、ドイツの医師ベルツが1876年(明治9)に来日し、最初に観察した。

[嶋井和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android