ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蒙古律例」の意味・わかりやすい解説 蒙古律例もうこりつれいmeng gu lü li 中国,清代の法典。清朝の蒙古統治のために乾隆6 (1741) 年に公布され,以後数回改められた。行政規定のほか多くの裁判規定や刑法規定を収め,およそ 209条,12巻。適用範囲は蒙古の王公以下,喇嘛 (ラマ) ,一般庶民に及んだ。蒙古統治の基本策が示され,特に刑法や行政規定の面で中国法が顕著に反映しているが,賠償制などのように蒙古固有法に由来する規定もみられ,そのほか固有の慣習法にゆだねられたところも少くない。嘉慶,道光,光緒年間 (1795~1908) に3度「理藩院則例」 (最後のものは「理藩部則例」) が制定され,いずれも蒙古律例よりも一層広範囲に行政規定を含むものであり,蒙古律例はこれらの則例のなかに発展的に吸収された。ともに蒙古研究の有力な史料である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by