薦生村(読み)こもおむら

日本歴史地名大系 「薦生村」の解説

薦生村
こもおむら

[現在地名]名張市薦生・さつきだい二番町

鵜山うやま村から山を隔てて南に位置する。名張川が夏秋なつあき村付近から峡谷に入って北流し、蛇行する袋部にあたり、土地の大部分礫土の上に細砂土で覆われる。

古代には名張郡夏見なつみ郷薦生村または薦生で、ここに薦生牧があった。その位置は康保三年(九六六)四月二日の伊賀国夏見郷刀禰等勘申案(東大寺文書)に「但至于薦生御牧、件名張河、始従桜瀬頭流北、箕輪流至未申方笠間河川合、件御牧即此箕輪内地也、然則治田新開田并公田等、是廻薦生御牧南四至高岑腰如帯、添萱山下、牧地是従田北方、従河南方也、中有陸□□□(地人住カ)其地、以是為御牧地」とあり、四至は「東限垣田河并壺(小脱カ)岑、南限小鮎滝(瀬脱カ)并高岑、西限笠(間)河并大河、北限高岑」と記される。四至は現在の薦生とほぼ同じ地域である。ここは、もと興福こうふく寺転経院僧都延珍の領有であったが、応和二年(九六二)八月に勘解由長官藤原朝成に譲られた(同年八月二〇日「転経院牧地等去文案」東大寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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