改訂新版 世界大百科事典 「薬名詩」の意味・わかりやすい解説 薬名詩 (やくめいし)yào míng shī 本草すなわち漢方薬材の名をよみこむ中国詩。一類の名物をよみこむ遊戯文学〈雑名体〉の一つで,多くはサロン的環境で制作される。5,6世紀,斉,梁の宮廷サロンに始まる。毎句に本草名をよみ,語意を二様にはたらかせるなど,種々の技巧が用いられる。薬名詩の伝統は唐・宋を経て近代まで絶えないが,特に北宋の陳亜はもじりの技法を導入,また変文曲や戯曲,散曲などの俗文学では,それがますます奔放をきわめて遊戯文学の性格を強化している。執筆者:田中 謙二 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by