薬名詩(読み)やくめいし(その他表記)yào míng shī

改訂新版 世界大百科事典 「薬名詩」の意味・わかりやすい解説

薬名詩 (やくめいし)
yào míng shī

本草すなわち漢方薬材の名をよみこむ中国詩。一類の名物をよみこむ遊戯文学〈雑名体〉の一つで,多くはサロン的環境で制作される。5,6世紀,斉,梁の宮廷サロンに始まる。毎句に本草名をよみ,語意を二様にはたらかせるなど,種々の技巧が用いられる。薬名詩の伝統は唐・宋を経て近代まで絶えないが,特に北宋の陳亜はもじりの技法を導入,また変文曲や戯曲散曲などの俗文学では,それがますます奔放をきわめて遊戯文学の性格を強化している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 田中

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む