朝日日本歴史人物事典 「藤原基実」の解説
藤原基実
生年:康治2(1143)
平安末期の公卿。摂政・関白藤原忠通の嫡子。母は権中納言源国信の娘,従二位信子。久安6(1150)年に元服して正五位下左少将となり,保元1(1156)年に権中納言・左衛門督から権大納言となり,翌年には右大臣に上る。その出世ぶりは道長の子頼通にならったもので,同3年には二条天皇のもとで父忠通に代わって16歳の若さで関白・氏長者となった。長寛2(1164)年,平清盛は摂関家との連携のために基実を娘盛子の婿とするが,仁安1(1166)年痢病で死去。時に六条天皇の摂政で24歳だった。容姿は美しく,筆跡もすぐれていたという。近衛家の祖。六条殿,中殿と号した。
(土谷恵)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報