蛟竜雲雨を得(読み)コウリョウウンウヲウ

デジタル大辞泉 「蛟竜雲雨を得」の意味・読み・例文・類語

蛟竜こうりょう雲雨うんう

《「呉志」周瑜伝から》英雄豪傑が、時運にめぐり会って才能を発揮する。
[類語]所を得る得手に帆を揚げる追風おいてに帆を上げる驥足きそくばす

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精選版 日本国語大辞典 「蛟竜雲雨を得」の意味・読み・例文・類語

こうりょう【蛟龍】 雲雨(うんう)を得(う)

  1. ( 「呉志‐周瑜伝」の「恐蛟龍得雲雨、終非池中物也」から ) 雌伏(しふく)する英雄や豪傑が時運を得て、たちまち実力を発揮することのたとえ。

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故事成語を知る辞典 「蛟竜雲雨を得」の解説

蛟竜雲雨を得る

まだ世に出ていなかった才能のある人物が、時を得て、実力を発揮することのたとえ。

[使用例] 今はこんなことをやっているが、蛟竜永久ちゅうのものじゃない、今に改めてお目にかかるから、よろしくいってくれ[尾崎士郎*人生劇場望郷篇|1952]

[由来] 「三国志書―しゅう伝」に見える話から。三世紀、後漢王朝末期の中国でのこと。呉の国の将軍、周瑜は、けいしゅう(現在の湖北省)で勢力を蓄えつつあるりゅうを警戒していました。そこで、主君そんけんに向かって、「このまま『蛟竜の雲雨を得て(水底に潜んでいる竜が、雲が雨を降らせるというチャンスをつかんで)』、池から飛び出して天に昇ってしまうと、たいへんです」と忠告をしました。しかし、結局、劉備しょく(現在の四川省)という国を手に入れ、呉の強力なライバルとなったのでした。

[解説] 「蛟竜」は「こうりょう」と読むこともあります。

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