蝦夷談筆記(読み)えぞだんひつき

日本歴史地名大系 「蝦夷談筆記」の解説

蝦夷談筆記
えぞだんひつき

二冊

別称 蝦夷人談筆記・蝦夷記 勘右衛門談・松宮観山編

成立 宝永七年

写本 北海道大学附属図書館・道立図書館・東京大学史料編纂所

解説 宝永七年幕府の巡見使に随行して松前を訪れた編者が、巡見使一行の案内に加わったと思われる蝦夷通詞勘右衛門から聞いた松前および蝦夷地の事情で、アイヌの生活や風俗などを信頼のおける情報によって記したもっとも初期の文献である。本書は上下二巻に分れ、上巻には松前・蝦夷地の様子を四十数項目にわたって述べ、そのなかにはアイヌについて興味深い記事が多い。すでに義経伝説も記され、アイヌ語の語彙百数十を収録している。下巻は寛文九年に始まるシャクシャイン蜂起についての勘右衛門の体験談を書留めたものである。勘右衛門については「右一揆の節廿歳にて佐藤権左衛門手に付、諸事自ら見分致候由也」と記されている。

活字本 日本庶民生活史料集成第四巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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