蟹河坂村(読み)かにがさかむら

日本歴史地名大系 「蟹河坂村」の解説

蟹河坂村
かにがさかむら

[現在地名]土山町南土山みなみつちやま

南土山村の東にあり、北を田村たむら川が西流する。集落は村の中ほどを通る東海道に沿って形成される。蟹坂とも記され、昔当地に旅人を悩ませる大蟹がいたが、高僧がこれを成仏させたという伝説がある。天文一一年(一五四二)九月、伊勢国の北畠具教が国境を越えて山中やまなか城に侵攻したが、六角定頼麾下の山中秀国らがこれを防いだ戦があり(山中文書)、蟹坂合戦と称される。天正一九年(一五九一)四月の徳川家康知行目録写(大谷文書)に八五石余とある。慶長五年(一六〇〇)幕府領となり、天明村高帳では京都所司代牧野貞長領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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