出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
石川県南部、江沼郡(えぬまぐん)にあった旧町名(山中町(まち))。現在は加賀(かが)市南部を占める地域。旧山中町は1913年(大正2)町制施行。1955年(昭和30)河南(かわみなみ)、西谷(にしたに)、東谷奥(ひがしたにおく)の3村と合併。2005年(平成17)加賀市に合併。国道364号が通じる。大日山(だいにちざん)の北西麓(ろく)、大聖寺(だいしょうじ)川、動橋(いぶりばし)川源流部の山地にあり、福井県に接する。温泉と漆器の町で、山中温泉は行基(ぎょうき)が発見して薬師如来(にょらい)を祀(まつ)ったと伝え、近世には湯元12軒があり湯治場として栄えた。大聖寺川上流の九谷(くたに)の九谷焼、真砂(まなご)の挽物(ひきもの)は浴客の土産(みやげ)物となった。九谷焼、山中漆器はこの伝統を継ぐ。1997年(平成9)には県立山中漆器産業技術センターができた。1897年(明治30)北陸本線が開通、鉄道馬車が大聖寺駅から温泉まで通じて浴客が増加した。1931年(昭和6)大火で温泉街は焼失、1939年鶴仙渓(かくせんけい)沿いに再建された。上原(うわばら)漆器団地があり、山間地では木材生産やシイタケ栽培が行われるが、過疎化も著しい。栢野(かやの)の大スギ、八幡(はちまん)神社の大スギは樹齢2000年以上といい国指定天然記念物。九谷磁器窯跡は国指定史跡。
[矢ヶ崎孝雄]
『『山中町史』(1959・山中町)』▽『『山中町史 現代編』(1995・山中町)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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